映画から学ぶライフレッスン

映画から私が受け取った学びの記録(全てネタバレあり)

危険な情事/Fatal Attraction

妻子が実家に帰って不在の週末に、仕事で知り合った若い女性に惹かれたエリートビジネスマンは一夜の関係におよぶ。…がその関係は一夜では済まなかった。マイケル・ダグラスとグレン・クロース主演の1987年映画。

 

youtu.be

危険な情事 - Wikipedia

この時代、今振り返るとすでにエイズが猛威をふるっていたはずですが、バブリーな時代だったし(アメリカのウォールストリートではYuppyと呼ばれる人たちが華やかな生活をしていました)、まだまだ「One night stand(一夜の情事)」を楽しんでる人たちがいっぱいいたんだと思います。だから、どこの誰とどれだけ遊んでるか、というのを自慢し合う人たちは多かったと思われます。

まーでもこの映画を見て世の男性たちは知らされるのです。

 

「会ったばかりの人とは寝るな!」

 

会ったばかりの人でなくても、相手との関係を勝手に妄想する人というのはいるものですから、なんとも言えませんが、この映画ほど、よく知らない相手と深い関係になることの恐ろしさを教える映画はないと思います。

 

xx jane.  

 

 

 

プリティ・ウーマン

ジュリア・ロバーツ出世作となった1990年のロマコメ。夢を持ってL.A.に出てきたものの生活できず、娼婦として働いていたジュリアが、お金持ちビジネスマン、リチャード・ギアのハートをとらえるシンデレラ・ストーリー。ジュリア・ロバーツが着こなすファッションも話題になりましたが、彼女自身の魅力が大爆発で、一気にスターとなったのも納得でした。

youtu.be

プリティ・ウーマン - Wikipedia

 

さて、この映画で学んだのは二つ。

 

「オペラは最初の経験が大事。オペラに恋をするか、または大嫌いになるか、だ」

 

というようなことをリチャード・ギアが言って彼女をプライベート・ジェットで(確か)サンフランシスコの劇場に連れて行きます。彼女はオペラに完全に心を奪われ、一生ファンになったことでしょう。

私も、だから、最初に観るオペラは、大事にせねば、と思い、観る場所も演者も一流のものにしなければ、と思ったものです。結局パリのオペラ座で「セヴィーリャの理髪師」を観ました。が、恋には落ちなかったのでした。だから、きっと私はオペラ・ファンにはなれないんだろうと思い、その後、部分ものとか子ども向けにアレンジされたものしか観ていません。オペラを好きと言えたらどんなにカッコいいだろう、と思うのですが(それには「月の輝く夜に」の影響もあると思います)、残念ながら私は好きとは言えないんだと思います。映画のキャラクターが言った言葉をここまで真に受けるのもバカバカしいですが、そう言って割り切る口実としては都合がいいんですね。

 

「唇でキスをすると好きになってしまうらしい」

 

もう一つは、彼女は、娼婦なんだけど、「唇へのキスはなし」という、彼女なりにルールを決めています。それが、確か、唇どうしのキスだと、好きになってしまい、仕事として割り切れなくなるから、というような理屈だったと思います。ほうほう、そうなんだ、セックスはいいけどキスはダメなんだ、と、ものすごく狐につままれたような気になりました。

 

この映画はその後も何度も見ています。ショッピングのシーンで彼女に意地悪をした人たちを見返すシーンは、やっぱりスカッとしますし、でもとにもかくにも彼女の服の着方、そして表情を見ているだけで幸せな気持ちになります。名作だな。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

ホテル・ニューハンプシャー/The Hotel New Hampshire

ホテル経営にとりつかれた男とその家族の奇怪な運命を淡々と描いた作品。1984制作だそうですが、物語は1950年代から始まります。原作はジョン・アーヴィング、主演はロブ・ロウジョディ・フォスターナスターシャ・キンスキーなど。
 
ホテル経営に固執したお父さん&家族の顛末は5人いる子どもの次男坊の視点で描かれます。家族メンバーそれぞれがあまりに個性的だし起きる出来事もレイプから飛行機事故からテロから自殺から同性愛から近親相姦まで、目まぐるしすぎてついてけない状態でしたが(私自身が高校生で世間知らずだったし)、そうなのか!と思ったことは、やっぱりセリフで表現されていたものですが:
 
「入れ歯を外した、歯のない口とキスは唯一無二の感覚」
「どんな人でも人生で一冊は本を書ける」
 
いずれも別にその後、それらが真実だったなあ、と納得するような経験はないのですが、よく覚えています。
 
この映画、古すぎてよく覚えていないのですが、ちゃんとしたメッセージもあったと思います。一つ寓話のようにKeep Passing the Open Windowsという言葉が語られます。確か、開いている窓があっても外に出て飛び降りるようなことはしちゃいけない、とにかく、前へ歩き続けよ、という感じだったと思います(でも飛び降りちゃう人も出てくるんですけど)。それも通奏低音のようにこの長い人生の間ずっと意識に残っていたとは思うので、ヒットはしなかったけど、結構優れた映画だったんじゃないかと思います(個人的には原作もキャストも大好きです)。
 
xx jane.  
 

フォー・ウェディング/Four Weddings and a Funeral

1994年のイギリスのロマンティック・コメディ。この映画で大ブレイクしたヒュー・グラント演じるのは結婚という束縛は恐怖と思いながらも友人の結婚式にひたすら出席する羽目になっているお気楽男性。ある結婚式で出会ったアメリカ人女性に一目惚れしたけど、おいしいとこどりはできるのか?

 

youtu.be

フォー・ウェディング - Wikipedia

 

この映画、日本ではそこまでヒットした感じはしませんでしたが、本国英国では大々大ヒットのロングラン、主題歌の「Love is All Around」も14週連続第一位、とか、お葬式で読み上げられたW.H.オーデンの詩も再注目されたり、社会現象になったみたいです。

 

この映画でなるほど!と思ったのは:

「(結婚式のお祝いをカップルが指定する)ギフト・レジストリーって便利!」

 

結婚式(に限らず、赤ちゃんのお祝いや盛大な誕生日パーティーなど、お祝いの品を贈るのが通例のイベント)の招待状と一緒に入ってくるいわゆる「欲しいものリスト」です。これは祝われる側が、好きなお店の好きな品物を選んでリストにししておくもの。招待客は、予算に合わせてその中のものを選び、事前に代金を支払っておく、というシステムです。祝われる方も趣味に合わないものをもらう羽目にならないし、祝う方も悩まずすみます。

 

映画では、ヒューの愛情の対象であるアンディ・マクダウェルが他の人と結婚することになり、彼らのレジストリーにあるお店に行くと、高価なものしかなくて困ってしまう、というシーンが出てきます。今ではこのレジストリーも全部オンラインですから、本当に便利。誰が何をくれたかの記録も自動的に残るのも、いいですよね。

 

ま、便利さでいったら、日本のご祝儀とかの方がずっと自由が効いて便利なのもかもしれないけど。でも日本でも親しい人だとご祝儀の他にモノもプレゼントするでしょ?それだったらモノで記念になるのがいいかな、と思ったりもするよね。

 

こういう映画を見てると男性ってホント結婚とか束縛とか真実の愛を嫌がるよなー、と思ってたんだけど、意外と周りの男性は結婚しちゃうものだ。私の周りだけだと男の友人で独身なのより女の友人で独身な方が比率が高いからね。不思議だ。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

セックス・アンド・ザ・シティ2/Sex and the City 2

1998年から2004年までHBOで放送されたテレビドラマの映画化作品の第2弾(第一弾は2008年)2010年で全米で公開されました。アラフォーの4人の仲良しが直面する結婚生活、子育て、独身生活に対する悩みや喜びを、アブダビへの旅行中にぶつけ合います。

youtu.be

セックス・アンド・ザ・シティ2 - Wikipedia

 

まーこの映画は

「そっか、超富裕層向けのホテルってこういうことか」

と分からせてくれました。

 

彼女たちが、UAEの王族からのご招待で滞在するアブダビのホテルは、一泊22,000ドル、という設定です。耳を疑いました。映画が公開されていた頃の為替レートで(ぎょ!あの頃は85円とかだったんですね!)187万円です。桁が違う!!と。

 

庶民の私はそんな高いホテルの必要性など、あまりよくわかっていなかったんですが、やはり世界の超富裕層は一泊100万や200万使えないとお金が余って余って増えちゃって増えちゃって仕方ないんですね、きっと。だから、日本が本気で観光立国を目指すなら、そういう富裕層がちゃんと楽しく滞在できる超豪華なホテルがなきゃいけないのに、まだまだ足りない、という主張を読んだことがありますが、この映画を見て腹落ちしました。日本の最高級ホテルも高いところは高いらしいです(今検索すると新築オープンしたオークラには300万円の部屋があるとか?)が、果たしてそういう部屋がいくつあるのか。

 

ちなみにアダム・サンドラージェニファー・アニストンのロマコメ「ウソツキは結婚のはじまり(Just Go With It)」に出てきたウォルドーフ・アストリア系のハワイのホテルのスイートも8,000ドル(今のレートで87万円)と12,000ドル(同130万円)だと言ってましたね。美容外科医(=収入はめっちゃ高い)役のアダムは「ローリング・ストーンズのライブでも付いてくるの?」などと皮肉をいいながら、泊まることにしてましたが…。

 

コロナがおさまったら真っ先に動けるのは、この間ますます富が増えてしまった超富裕層に違いありませんから、日本にもそういうお客さんを取り込みたいものですね。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜/About Time

タイムスリップする能力があるイギリスの地味な男の子。何度も好きな時間に戻ってやり直せる時、何が一番したいだろう?2013年。ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムスビル・ナイイなど。

 

youtu.be

アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 - Wikipedia

 

主人公は、ダメダメだった自分の人生を変えたりして、その能力のおかげで良い人生を送れます。でも、結局その能力の一番好きな使い方は、何気ない一日をもう一度、より良く過ごすこと、と言います。急いでいてコンビニで店員さんに目もくれず感じ悪くしてしまったような小さな出来事をやり直す。店員さんに笑顔でありがとうと言う。それが一番幸せをもたらすんだ、と。

 

「その時は一度しか来ない」

 

当たり前のことですが、その能力のない私たちには、本当に一日のうちに起きる全てのことが一生に一度しかないわけで、それを雑に過ごしてしまうのはもったいないな、と。その一つ一つを少しでも幸せな瞬間に変えられたら、きっと自分はもっと満たされるだろうな、と思いました。

 

だからこの映画を見た後から、私もスーパーのレジの人やガソリンスタンドの店員さんなど、それほど自分の人生に関わるわけではない人でも、目を見て感謝してみるようにしました(いや、やっぱ急いでて出来ない時もいっぱいあるんだけど)。本当に、人生変わります。本当に、こちらが幸せな気持ちになります。もちろんコンビニの店員さんで全くこちらを見てくれない人もいるんですけど、へこたれずに続けてます。あと、もともと綺麗な子だと思ってたけど、この映画でレイチェル・マクアダムスにゾッコンになりました。

 

xx jane.  

 

マイ・ブックショップ/The Bookshop

2017にペネロペ・フィッツジェラルドの『The Bookshop』を映画化した作品。1959年にイギリスの片田舎の保守的で、一軒も書店のない町に、未亡人のフローレンスが夫との夢だった本屋さんを開く物語。エミリー・モーティマービル・ナイーの演技が抜群です。

youtu.be

マイ・ブックショップ - Wikipedia

 

空がどんよりして海がグレーのイギリスらしい風景の中、ずっと空き家だった歴史的な建物を頑張って購入し、書店を開いたフローレンス(エミリー・モーティマー)。その建物でいつか芸術センターを開こうと思っていた町の有力者は(いくらでもチャンスがあったのに、動かなかったくせに)フローレンスを諦めさせようとしたり、開店後は一生懸命邪魔をします。挙げ句の果てにはその建物が強制収用されるよう政府に働きかけます。

 

「イギリスの政府は全くの補償もせずに個人の財産を強制収用できるんだ!!」

 

というのが驚きでした。歴史的建造物を保存するため、とか、道を作るため、等、所有者の同意がなくても収用できるのだそう。しかも、今でこそ個人が購入に使った費用や移転するための費用、弁護士費用等は補償されるそうですが、その時代はそれすら一切出ないケースがあったってことですよね。国って恐ろしい。(最近聴いたTED Talksで、アメリカにおいては、それよりももっとびっくりな民事没収なる制度があることを知り、この映画を思い出しました。)

この映画では、当時の『華氏451度』の受け入れられ方や、発禁だった『ロリータ』が出版された時の反応がそういう感じだったのか…、というのも見られて面白かったです。

この町の有力者(パトリシア・クラークソンの存在感デカっ!って感じです)がなぜあそこまでフローレンスの邪魔をするのか、という点は、その人個人の問題、ということにもできるんだろうけど、当時のイギリスの、まだ階級社会意識の強さをも物語っているのかな?とも思います。そんな片田舎の小さな町だったら、当然自分にひれ伏すと思っている、というような。

ビル・ナイーがフローレンスを応援するのは、彼女の行動を起こす勇気がそうさせる、というようなことも言ってます。読書の素晴らしさも描かれますし、悲惨なだけの原作と違って、スカッとする要素も入っていますし、映像は美しいですし、Amazon PrimeNetflixでやってたらまた観てみようかなと思います。

xx jane.