映画から学ぶライフレッスン

映画から私が受け取った学びの記録(全てネタバレあり)

アクトレス〜女たちの舞台〜/Clouds of Sils Maria

2014年、フランス・スイス・ドイツ合作の映画。大女優役でジュリエット・ビノシュ、そのパーソナル・アシスタントにクリステン・スチュワート、新進女優役でクロエ・グレース・モレッツが出演。

 

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アクトレス〜女たちの舞台〜 - Wikipedia

 

今や大スターのマリア(ジュリエット・ビノシュ)が20年前に女優としてブレイクするきっかけとなった「マローヤの蛇」が再上演されることになった。その演出をする若手演出家から、今度は、彼女が当時演じた若く自己中心的なジグリットではなく、その相手役、利用された挙句捨てられてしまう、年上のヘレナ役を演じてほしいと言われる。それは屈辱的であり、また、マリアは役の気持ちが理解できず演じるのに苦しむことになる。マリアは忠誠的なアシスタントのヴァル(クリステン・スチュワート)を相手に、脚本家が執筆に使っていたアルプスの家に滞在して稽古をするのだが、劇のセリフの緊張感とともに、リアルな二人の関係もこじれていく。ジグリット役のジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)はヘレナというキャラクターへの(そしてマリア自身にも)リスペクトが足りず、マリアは主役の座から追い落とされたことを思い知る…。その一方で、マリアでなくては演じられない、という役柄や時空が存在するのも真実なのであった。

 

珍しくまとめを長々と書いてしまいました。私の解釈は間違っているかもしれないです。いくつか批評を読むと、マリアはもう終わった、と捉える記事もありましたので。映画では、マリアが「あなたでなくては演じられない」と言ってくる監督の話を引き受けたのかどうか、言っていませんし。

 

この映画の「!」ポイントは:

 

「スイスの田舎ではハリウッド・スターに誰も反応しない」

 

クロエ・グレース・モレッツ演じるハリウッド女優が、スイスのホテルで既婚者である有名作家と密会する時に、ファンやメディアに気づかれるかもしれない、なんて夢にも思っていない様子が、新鮮でした(その女優がスキャンダルを恐れている設定にはなっているにもかかわらず、ですよ)。周りも実際気づかないのですが。映画ですけれど。

 

なお、シルス・マリアという土地はニーチェが滞在していたことで有名、というのも、この映画について友人と話していて知りました。

 

xx jane.  

ゆりかごを揺らす手

産婦人科医の夫がわいせつ行為で告訴され、集団訴訟に発展していく中自殺してしまったショックで、妻(レベッカ・デモーネイ)は流産してそれまでの幸せな日々を失う。妻は、最初に夫を告訴した女性一家に入り込み復讐をしていくのだった。1992年アメリカ。

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ゆりかごを揺らす手 - Wikipedia

この映画公開の1992年当時までは、大体映画は金髪碧眼がヒロインで黒髪が悪役、と相場が決まってたそう。けれど本作ではブロンド美人が恐ろしい復讐魔、という点が新しかったらしいです。美しい彼女がベビーシッターとして家庭に入り込み、赤ちゃんから手なづけ(自分も妊娠していたので、何とお乳が出るのです!)、夫の気を惹き、告訴した彼女を追い詰めていきます。途中で異変に気づいた人のことも次々殺していくさまが、まー怖いこと!

 

「割れたガラスで人は死ぬ」

 

一家の友人はベビーシッターの素性を突き止め、注意をしようとしますが、殺されてしまいます。温室のドアを開けると温室の天井部が割れるように仕組まれ、その友人が温室に入った際、降ってきたガラスが全身に刺さり、死んでしまうのです。そっか、割れたガラスが降ってきたら、やっぱり死ぬんだ、人は。じゃ、やっぱり地震の時ビルからは離れた方がいいんだな。怖すぎる映画でしたが、結構実質的な学びもありました。

 

ちなみにこの、殺されてしまう友人役は、いまやアカデミー賞女優のジュリアン・ムーア。それまでテレビや劇場で活躍していた彼女は、この映画で広く顔が知られるようになったそう。素人が見ていても印象的な存在でした。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビューティ・ショップ/Beauty Shop

未亡人のクイーン・ラティファが娘の教育のため、アトランタに越してきて自分で美容サロンを開き、営業妨害にも負けず、切り盛りしていくストーリー。ケビン・ベーコンアリシアシルバーストーンが脇を固めます。

 

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この映画で、というか、クイーン・ラティファを見ていると、なのかもしれないけど:

 

 「太ってるかどうかは本人がそう思うかどうか次第!」

 

ということを理解しました。

 

クイーン・ラティファはご存知の通り、かなり恰幅の良い女性です。それでも自分を「太ってて可愛くない」なんて全く思っていません。その愛らしいボディをさらに魅力的に見せるファッションで「どう、私、いいでしょう!」と宣言してるかのようです。そう思っている人は、もはや太ってなんていない、って私は思います。

 

 一方、クイーン・ラティファほど大きな体型でなくとも、「私太ってるせいで可愛くない」とか「太ってるからこんなお洋服似合わない」などと不満に思ってる人は、太ってるんだと思います。

 

「太って」いたくない私としては、「この体型で目一杯可愛く見せよう!」と思い込むようにしています。自分自身は(自分比較)細い時のほうが好きなので、自分にウソをつかなくていいよう、(自分比較)細めの体型を保っていますが、…そしてそのために、例えば間食は一切しない、デザートも週2回くらいにおさえる、ラーメンやパスタなど炭水化物の多いメニューは選ばない等、ハタからみたらストイックに見えるかもしれない食生活をしていますが、それは全然苦痛ではなく、ハッピーでいるためのルーティンとして受け入れています。

 

みんな、置かれた状況で、天から恵まれた体型で、クイーン・ラティファのように自信満々&ハッピーでいたいものですね!

 

xx jane.  

 

ボーイズ・オン・ザ・サイド/Boys on the Side

1995制作のアメリカ映画。NYでクラブをクビになったブルース・シンガーのウーピー・ゴールドバーグが、L.A.で再出発をするため、移動の旅をともにするメアリー・ルイーズ・パーカーと途中で拾うことになるドリュー・バリモアと友情を育んでいくロード・ムービー。

 

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ボーイズ・オン・ザ・サイド - Wikipedia

 

女性の友情モノの映画は数あれど、これはなかなかな珠玉作品ではないでしょうか。ウーピーは独立自尊の気が強い女性、メアリー・ルイーズはわかりやすい強さはなく、遠慮がちに生きてきたけれど、包容力があり、ドリューはまだまだ無知でひたすら若い女の子、という役どころ。それぞれ全然違うのに、この三人が一緒にいられるのがとても自然に見えるのです。

 

物語では、メアリーが当時不治の病だったAIDSを発症するHIVに感染している設定です。HIVは性行為で感染するので、彼女はもう他の人と性行為は行えない、と諦めています(当時もコンドームをすれば感染を防げる事実も知られるようになっていたとは思うのですが)。そして、最後に自分が男性と行為に及んだことを思い出して(確か、あまり美しい思い出ではない)「あの時が最後だったんだな、と思う。その時は、まさか、自分の一生でこれが最後のセックスになるなんて思いもしなかった」としみじみと言っていました。そう、人間なんて誰しもそれが人生最後の〇〇になるなんて、思いもしないものです。だから私はこの映画を観て以来:

 

「これは、もしかしたら人生最後のこの行為なのかもしれない」

 

というのがよく頭の隅っこに登場するようになりました。もちろん意識的に「最後に一度〇〇しよう」と思ってできることもたくさんあると思います。でも、日常的に繰り返ししていることは、特に、それが失われるなんて思いもよらないことの方が多いのではないでしょうか?日常的に走っていた人が、股関節の加減が悪くなって、もう走れなくなった、とか、スイーツ大好きだった人が、糖尿病を発症してもう食べるの禁止になるとか。なんだ、あれが最後だったのか、という感じ。もっとも、大して大事でもないことも多いんでしょうけど、セックスできない、というのは、えー!マジ???って感じですよね。

 

この映画でマシュー・マコノヒーが単純だけど善良な警察官の役で出てきてとても好感を持ったので、彼のその後の大活躍は嬉しかったものです。メアリーのお相手の木訥とした感じの人は、今検索したら、セックス・アンド・ザ・シティに出てくるホテル王のリチャード役のジェームス・レマーだったんですねー。

 

xx jane.   

ラブ・レターズ 綴られた想い/Sincerely, Yours, Truly

2020年製作、カナダのテレビ映画だそうです。引っ越した家の屋根裏から、手書きのラブレターとともに婚約指輪を見つけた主人公の女性が、手紙の差し出し主の男性にそのことを手紙で伝えることで交流が生まれる話です。

 

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やはり低予算のテレビ映画だから、なのか、何故なのでしょう?何が悪いの?脚本?演技?演出?はっきり言ってかなり見るに堪えない感じの映画ですが、この映画で初めて見たのが:

 

「自動ポップコーン作り器!!」

 

アメリカの(これはカナダだけど)映画やドラマでは一人暮らしの子が(一人暮らしの子に限りませんね)ポップコーンを作って食べるシーンがよく出てきますが、90年代までは乾燥ポップコーンと塩とバターがセットされたアルミ鍋を火にかけてる感じ、2000年代は電子レンジで作るものが増えてましたが、今は専用の電動のマシーンで出来上がったポップコーンがポコポコ出てくるんだ!!映画ってその頃の暮らしぶりもわりとわかって面白かったりするよね。この映画も、主人公の女性は環境を意識した活動のNPOを立ち上げている人だし、とても今っぽいです。

 

xx jane.  

PS ちなみに検索すると日本でも売ってるみたいです。ポップコーン別に食べたくはないけど、出来上がるのを見るのは楽しい〜!

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ウソツキは結婚のはじまり/Just Go With It

2011年制作、アダム・サンドラージェニファー・アニストン主演のロマコメ。スポーツ・イラストレイテッドの水着特集で人気のブルックリン・デッカーも登場します。

 

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ウソツキは結婚のはじまり - Wikipedia

 

容姿が原因で結婚が破談になったアダムは美容整形外科に転身、自分も手術を受け、準備していた結婚指輪を武器に夜な夜な女の子をナンパしては後腐れのない一夜の関係を楽しみます。が、あるときブルックリンと指輪なしで運命の出会い!偶然結婚指輪を見た彼女は「奥さんから本当に別れるってことを聞きたい」と主張し、アダムは仕事で助手のジェニファーに「別れる予定の奥さん」を演じてもらいます。まーそのセクシーな奥さんに扮したジェニファーのカッコよさと言ったら!途中ジェニファーの大学時代の友達としてニコール・キッドマンも登場するなど、意外と出演者は豪華。最後は、アンディ・ロディックまで登場するし、スノウ・パトロールの「Chasing Cars」とポリスの「見つめていたい」のマッシュアップが秀逸、とか、結構見所たくさんな映画です。

 

さて、この映画でなるほど、と思ったのは:

 

「(野球で)ファウルボウルが当たると球団を訴えてひと財産築けるんだ!」

 

です。裕福な暮らしをしているニコールの旦那さんはそれで財産を築いた、という設定。フィクションだし、ウソかもしれませんけどね。それに、ま、ファウルボウルが飛んできたら喜んでキャッチする人の方が大半でしょうし。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

めぐり逢えたら/Sleepless in Seattle

1993年、メグ・ライアンの黄金期のロマンティック・コメディ。妻を亡くしたトム・ハンクスが妻への愛を語るラジオ放送を耳にしたメグが、身も知らない彼に心を奪われます。結婚するには「運命の出会い」でないとダメなのか?

 

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めぐり逢えたら - Wikipedia

東海岸で働き、婚約者がいるメグは、遠い西海岸はシアトルのトムに心惹かれ、仕事にかこつけて、会いに行きます。トムの家は美しい湖に建つ水上の家だしパイクプレイス・マーケットの賑わいが楽しそうに描かれ、絶対住みたい街ランキングでシアトルの順位を上げたに違いない、と勝手に思っています。

さて、結婚準備を進めるメグは(住んでるのはボルチモアなのに)ニューヨークはティファニーで新婚スタートするための食器を見ます。

 

「揃えるべき食器の数は8客だと少ない、でも12客だと多すぎる。だから10客で」

 

と婚約者と意気投合してました。英米で食器の数ってたいてい6人分セットがひと単位で、だから足りない場合は12分セットになるんだと思っていたのですが、なるほど、10人分ってアリなんだー、と。

 

ティファニーで食器を揃えるなんて素敵ー!と憧れましたが、私が結婚式を挙げた頃の日本のティファニーでは食器の取り扱いはありませんでした。結婚式の引出物はグラス類などが限定的にあったので、お客様たちの手元には行ったけど、自分たちには、なかったなー。

 

余談ですがこの映画は1957年版の「めぐり逢い」を下敷きにしているし、それが女性が大好きな映画として言及されます。一方の男性の好きな映画として「特攻大作戦」が出てきたり、映画好きな監督さんの趣味がそこここに出てきます。またトムが8歳の息子に「会ったこともない、頭がおかしいビョーキのイカレ女に会いに行くことなんてない!『危険な情事』は見なかったのか?アメリカ中の男性が震え上がったんだぞ!」というシーンがあります。「危険な情事」もやっぱりエポックメイキングな映画だったんですねー。

xx jane.