映画から学ぶライフレッスン

映画から私が受け取った学びの記録(全てネタバレあり)

マリッジ・ストーリー/Marriage Story

ニューヨークの舞台監督と結婚・生活をするためハリウッドを捨てた女優。自分を犠牲にせず一緒に暮らすことに限界を感じた彼女が離婚を決断。お互いを尊敬しあって愛し合っているのに、離婚の手続きはお互いを傷つけあう辛いプロセスだった。(2019年)

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マリッジ・ストーリー - Wikipedia

 

とにもかくにもですね:

「友好的に離婚したいと思うなら、弁護士を雇ってはいかん」

と、それに尽きます、この映画のレッスンは。

こんなに愛し合って尊敬しあっている人間同士でも、ひとたび弁護士が間に入った途端、戦いになるわけ。「どれだけ相手よりより多くを勝ち取るか」になるから、相手を攻撃して自分を有利に持っていくことがどうしても必要になってくる。その中には人格否定も入ってくる。本人同士が「そこまでやらなくても」と思っても、弁護士は「相手の弁護士がこういう作戦に出てくるから」と、より勝てる戦略として、ものすごく欲張りなことを主張をし、ものすごく相手をこき下ろすことになる。

離婚を経験した友人たちが「調停で済ませたかった」「弁護士が入った途端、相手が大嫌いになった」「法廷に立たされて個人攻撃を受けて屈辱的だった」「離婚の手続きを始めてから相手が心の底から憎いと思った」とか言っていたことは、こういうことだったんだ、とようやくわかりました。

ちなみに、このカップルの場合は、私はやっぱりスカーレット・ヨハンソンに同情してしまいます。なんだかんだ言って、これまでいろいろ譲っていたのは、彼女の方だから。もうこれ以上我慢してちゃいけない!というところから行動を起こしてしまったのはわかる。弁護士の立てた作戦が「そこまで彼を責めたくない」と思っても「勝つために必要」と言われたら、それを覆すことまではしない。だって、彼には恨みつらみはあるから。一方、彼から見たら、彼女の行動一つひとつが周到な計算の上やっているように見えて、死ねばいいのに!と思ってしまうのも、わかります。二人が別れてしまうのは、本当に残念に思います。キャストの演技が素晴らしくて、音楽も素敵で、いい作品でした。

xx jane.