映画から学ぶライフレッスン

映画から私が受け取った学びの記録(全てネタバレあり)

ロミーとミッシェルの場合/Romy and Michele's High School Reunion

アリゾナ州トゥーソン(田舎、という設定だけど、そんなにめっちゃ田舎なわけじゃないよね)から高校卒業後L.A.に出てきて「なんか成功したい」「最高の彼がほしい」と漠然と夢を見つつ、地味で低収入な仕事でも、毎日を工夫しながら楽しんで暮らすロミーとミッシェル。高校の同窓会があると聞いて、自分たちのことをバカにしてた高校の同級生の様子を見たい!L.A.で成功したところを見せつけて見返してやる!と同窓会に行く騒動を描いてます。1997年。

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ロミーとミッシェルの場合 - Wikipedia

この映画でロミーとミッシェルは「ポストイットを発明した」と言ってみんなの尊敬を勝ち得ようとしますが:

 

ポストイットを発明したのは3Mのアート・フライ。しかも20年前」

 

と別のはみ出し者の女の子にさらりと言われ、ウソがバレます。そりゃ3Mでしょうけど、名前も知られてるんだな、というのはこの映画で知りました。

 

って、これただの知識だ。

 

アメリカのハイスクールって相当ストレスらしく、ハイスクールものの映画ではうまく馴染めなくて辛い様子が描かれることが多いですよね。それは、いじめられっ子はもちろん、人気あるメジャーなグループに属している子が主人公でもそう。この映画ではどの子でも誰かから嫌な思いをさせられていて、余裕がなくて傷ついている子が自分以外にも他にいることに気づけてないってことを明示してます。

いつもメジャーなおしゃれな綺麗な子たち(A グループ)からバカにされていたロミーとミッシェルも、他の子たちから見たら、おしゃれを楽しんで毎日を満喫して輝いて見えていた、ということがわかります。

 

実際、彼女たち、めっちゃ楽しそう。

 

「自分で工夫して楽しんでいる子って本当に輝いている」

 

というのをレッスンということにしておこう。

 

xx jane.  

 

フレンチアルプスで起きたこと/Force Majeure

スウェーデンデンマークノルウェー・フランス合作らしいです。2014年。フレンチアルプスのスキーリゾートで過ごしていた家族に雪崩が襲って、家族をおいて逃げた逃げないとで夫婦に亀裂が入っていくコメディ。

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フレンチアルプスで起きたこと - Wikipedia

 

ハリウッド映画の笑いとは違う感じで、ちょっとどこをどう笑っていいのかよくわからなかった記憶がありますが、私がこの映画で一番強烈に印象づけられたのは:

 

スウェーデン人は旅行先にも電動歯ブラシを家族の人数分持っていく」

 

やっぱり予防歯科の進んだ国の人たちってすごいな、と思いました。旅行の時ってなるべく荷物を少なく小さくしよう、と思うし、日本人の大人なら、旅行のときは旅館の歯ブラシで歯磨きを済ませる人もまだまだ多いと思うのですが、子供まで一人一人が電動歯ブラシを使い、それをちゃんと旅行先まで持っていく意識の高さに感動したのでした。

 

xx jane.  

 

シング・ストリート 未来へのうた/Sing Street

アイルランド中流家庭の中学生男子が、年上の女の子の気を惹くためにバンドを結成する、という成長物語(2016年)。

 

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シング・ストリート 未来へのうた - Wikipedia

 

懐かしのデュラン・デュランやザ・キュアの音楽と、それらを真似した音楽で80sを満喫できる映画。音楽も非常に良かったし、成長ものは本当に爽やかで、お気に入りです。この映画で学んだのは(全てセリフとして出てくる内容ですが):

 

「バンドやるなら(コピーするんじゃなくて)自分で曲を作れ」

「やるなら完全に振り切れなくっちゃ」

フィル・コリンズが好きな女はいない」

 

中学生くらいだったら、バンドやるとき、コピーバンドの方が自分も聴く人も盛り上がって楽しいだろう、と思いますが、主人公のお兄さんは、女の子にアピールするくらいの本気さがあるなら(映画の中でも別に特にプロを目指していたわけではない)自分で曲を作らなきゃ意味ない、と言うのです。それが本当にそうなのか今でもピンと来ていません。が、覚えておこう、とは思いました。

 

2番目の「振り切れるまで」というのはもちろん私の言葉であって、セリフはall the wayという言い方だったように記憶していますが「ラ・ラ・ランド」の時にも言っていたし、成功している人が作る作品によく出てくる言葉だな、とは思いますよね。

 

3番目のフィル・コリンズの歌の件は、本当にそうなのかどうなのかわからないけど、引用できるセリフだな、と思った。

 

ちなみに映画には出てきませんが、監督のジョン・カーニーが何かのインタビューで「バンドで一番大事なのはボーカル。そこを間違えるギタリストとかドラマーがいるから仲違いするんだよ」といっていて、意外な気もした(「一番モテるのはギタリストなんじゃないの?」)んだけど、でもよくよく考えると、キャーキャーモテるのがギタリストであっても、やっぱり、ボーカルがバンドを定義してるものね。これも学びでした。

xx jane.  

 

 

 

ドラゴン・タトゥーの女/The Girl with the Dragon Tattoo

これいつもなぜ「ドラゴン・タトゥーの『少女』」じゃないんだろう、とタイトルを見るたびに思ってしまうのですが、かなりグロい描写もある、スウェーデン人作家の作品のハリウッド版ミステリー映画(2011年)。億万長者から、何十年も前に突然失踪した一族の少女のことを調べてほしいと依頼された探偵が、天才ハッカーの女性を助手にして、巻き込まれたかもしれない猟奇殺人事件などを調べながら真相を解明していきます。

 

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ドラゴン・タトゥーの女 (2011年の映画) - Wikipedia

 

まあ取り上げられる殺人事件はどれもこれもおぞましいし、女性というだけで圧倒的に被害者になりやすい現実もイヤだけど、この物語の結末は(切ないのに)爽やかに描かれています。謎解きの面白さと性差を問いかけるこの映画で印象的だったのは、一つは殺人鬼のセリフの内容ではあるのですが:

 

「人は相手が危険な人間であると感じても、その人の失礼にならないように振る舞ってしまう」

「管財能力がないのは自由がないのと同じ」

 

ということ。実際、命の危険とまで行かなくても、目の前の人の失礼にならないように、より大事なことも後回しにすることってありがち。でもそれじゃ遅すぎる場合もある、ということは覚えておこう、と思います。思いながら、やっぱり目の前の人を優先して失敗することは繰り返してしまうのですが。

天才ハッカーリズベスは、精神鑑定の結果保護観察下にあり、監察官のサインがないと自分のお金も使えない立場にあります。精神疾患や何らかの障害を持っていて、行政にそうと認定されてしまうと、本当に担当者の裁量によって結構生活は変わってしまうんだろうな、と思います。自立できない、って本当に大変なことだと(他の映画を見ていても)痛感します。

xx jane.  

フラッシュダンス/Flashdance

プロのダンサーを目指しながら、昼間は溶接工、夜はバーのダンサーとして働く若い女性の恋と成長の物語。1983年。

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フラッシュダンス - Wikipedia

ストーリー自体はありふれていますが、ジェニファー・ビールスの可愛さとストリート・ダンスを取り入れた踊り、ミュージック・ビデオを見ているような視覚的な展開で世界中で大ヒットした名作。製鉄所の年上のボスとの恋愛もしながら名門バレエ学校のオーディションを目指す姿を見て私が学んだのは、こちら。

 

「服を着たままブラをはずす方法」

 

ジェニファーは、自宅で、恋愛対象の彼の目の前で、話をしながら服を着たまま何気なくブラジャーを外します。大人になってから、それが彼を誘惑する行為だったんだと知りましたが、なるほど、ああすれば服を着たままブラ外してラクになれるんだ、と学びました。

 

もう一つは:

「踊りの一番の基礎はクラシック・バレエ

 

街で見かけたブレイク・ダンスを楽しむ姿もクールで、それを取り入れた自らのダンスもインパクト抜群のジェニファーですが、夢はクラシック・バレエの基礎を勉強すること。名門の舞踊学校に憧れているのです。

その後の映画「コーラスライン」でも皆クラシックバレエは踊らされますし、クラシックから他へ転向することはできても、反対はできない。とにかくクラシック・バレエは基礎的な教養のように修めてなきゃいけないんだ、と思ったものです。パリオリンピックで競技種目にまでになった「ブレイキン」もメジャーな映画で取り上げられたのは、この映画が初だそう。隔世の感がありますが、クラシック・バレエ経験者の姿勢や歩き方の美しさは、今の時代も圧倒的だと思ってます。

 

xx jane.  

 

 

 

 

 

 

ラ・ラ・ランド/La La Land

2017年のアカデミー賞授賞式で「最優秀作品賞はラ・ラ・ランド!」とフェイ・ダナウェイウォーレン・ベイティが間違えても誰も疑いもしなかった名作ミュージカル映画

女優を目指すエマ・ストーンといつか自分のジャズクラブを持ちたいと思っているジャズミュージシャンのライアン・ゴスリングの、かなわなかったラブストーリー。

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ラ・ラ・ランド - Wikipedia

ご多分にもれず、最後の「あの時こうしてれば…」のシーン(以外もですが)で滝のような涙を流した私ですが、この映画で学んだのは:

 

「失敗しても自分で行動を起こすことが大事」

「何かに賭けるときはほかの全てを投げ打って全力で」

 

エマ・ストーンが成功を掴むきっかけとなる映画にオーディションのチャンスがきたのは、誰も観にこない、誰も理解しない、大大大大失敗の一人芝居を実行したから。「やってみたいな」だけじゃなくて、実際に稽古してお金も出して劇場も借りて、恋人さえきてくれず、お付き合いで来てくれた知人以外ほぼ観客がいない、超屈辱的な中で演じきったから。

そしてパリで撮影が始まると決まったら、LAのライアンと「遠距離恋愛しましょう」なんて半端なこと言わず、自分がこれ、と信じたアートに全てを注ぎ込んだから。

 

行動を起こすべし、というのは私はわりとできるのだが、どうしても、「あれもこれも」とか「念のためこっちも」と、捨てることができない私。やると決めたらALL IN、というのは、別にアーティストやアスリートだけじゃないんだと思う。「やると決める」こと自体が、なかなかできない、という情けないことが多くても、決めることが必要なことはあるし、決めたら、やり切らないといけないんだろう。

xx jane.  

 

バッド・インフルエンス〜悪影響〜/Bad Influence

ロブ・ロウとジェームス・スペーダー主演の1990年のスリラー映画。

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バッド・インフルエンス/悪影響 - Wikipedia

 

ジェームズ・スペーダーが気の弱いエリート役、ロブ・ロウがジェームズをもっとやりたいことをやれる、自分を主張できる強い男にしてやる、と言いながらドラッグや暴力のダーク・サイドに引き込む悪役です。そして、決して後戻りできないよう、怜悧に罠で囲い込んでいきます。

 

この映画で私が学んだのは:

「セックスは人のもっとも弱い部分を相手に晒すこと。だから絶対、愛してて信頼している人以外としてはならない」

ということです。

 

ロブ・ロウが、ジェームズ・スペーダーが一夜限りのセックスしているところを撮影し、それをジェームズの婚約者に見せる、というくだりがあります。ジェームズのセックスの様子が、カッコ悪い。でも彼に限らず、比較的セックスなんて冷静にはたから見ればそんなもんなんだろうと思います。愛があるからそれがカッコ悪いと思わないし、愛があるからバカにしたりしないし。逆にいうと、愛がなければいくらでも嘲笑の対象になるし、相手に秘密を渡すようなものなんだな、と、思ったんです。

 

「彼女は最高」で書いたように、私は売春自体を間違ってる、とはなかなか言えないんですが、セックスするわけですから、見も知らない相手に自分の秘密をいちいち見せることになる。そんなことはしたくないよな、とは思うんですよね。売春はやめとくべき、というもう一つの理由です。

 

xx jane.